大学研究室

国立研究開発法人 水産研究・教育機構
水産大学校 海洋機械工学科 石田武志研究室

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■研究室名: 環境情報システム研究室
■所在地: 山口県下関市永田本町2-7-1

■研究室代表者: 海洋機械工学科 海洋機械学講座 教授 石田武志

■主な研究

1.フグ種・雑種鑑別システムの開発

フグは、種別ごとに体内での毒の分布状況が異なるため、可食できる部位が定められています。一方で、交雑したフグは、毒の部位が不明なため、調理されずに処分されます。

交雑種も含めた種の判別が可能となれば、フグの毒部位が明確になり、フグの無駄な処分が減るとともに、フグ種の誤判断の可能性も低くなると考えられます。

 本研究は、フグ種ごとに異なる体模様を再現するコンピュータモデルを開発し、そのモデルからフグ種の判定を行うシステムの構築を目指しています。

フグ模様の形成シミュレーションの事例

2.魚群シミュレーションによる計数システムの開発

生簀(いけす)の内部の魚の動きを魚群シミュレーションにより再現し、さらに人工知能の技術と組み合わせることで、生簀から直接得られる情報(動画や超音波センサー等による生簀の一部の魚の動きの情報)から、高精度に魚数を推計するシステムの開発を目指した研究です。

魚群シミュレーションの事例

 

3.沿岸域のエネルギーシステムに関する研究

分散エネルギーネットワークを組合せて漂着ゴミを経済的に処理することができるシステムの検討や、バイオメタノールを基盤とした沿岸での循環型社会のシミュレーションを実施しています。

4.タコの擬態から考える新しい人工知能

タコは3つの心臓、9つの脳を持ち青い血液が流れています。そして、無脊椎動物の中では最も知能が高く、優れた擬態能力があり、瞬時に岩や海藻などの背景に擬態します。
タコの擬態は、優れたレンズ眼で周囲の景色を読取り、脳で情報を処理して、皮膚の色素胞を変化させて、様々な色と模様を作り出しています。このメカニズムをシミュレーションで再現するとともに、瞬時に特徴を把握するという機能を、ディープラーニングなどに応用する可能性を探っています。
これが実現できると「多種少量の学習データでも利用可能な人工知能」につながり、水産分野で様々な職人の「カン」を人工知能へ移植することができると考えられます。

5.水産AI(2019年度卒業研究)

– 畳込みニューラルネットワークを用いた体模様判別モデル
– 転移学習によるフグ画像の判別モデルの構築